中国民族音楽: 春江花月夜 by 琵琶



四声発音




ピンインとその発音



 日本語を学習する際に「あ」「い」「う」「え」「お」の母音と、母音の前につける子音をいちばん最初に学習しますよね。。母音、または子音+母音の組み合わせによって単語を表し、単語と単語を文法に従ってつないで文章をつくっています。中国語も同じように、母音と子音とがあり、これらの組み合わせによって発音規則を表しています。これらの発音をアルファベットで表したものをピンインといいます。

(例)他是田中的弟弟。(彼は田中さんの弟です。)
   ピンインで表すと→ Ta shi tian zhong de di di

 なお、ピンインは中国語学習者のために1958年に中国で考案されたものであるため、それ以前に生まれた年配の中国人に単語のピンインを書いてほしいと言っても書けない人がけっこういます。


母音について



 ピンインが読み仮名のような役割を持つという事はわかったと思いますが、そのピンインをローマ字読みで読んではいけません。中国語の発音は日本語とも英語とも違うからです。

 きちんとした中国語の発音をマスターするためには母音(ぼいん)と子音(しいん)の発音を正確に覚える必要があります。まずは母音の学習ですが、母音は発音の基本となるものです。中国語の母音は、日本語と違い数多くあり覚えるのが大変ですが、1つ1つ確実にマスターしていきましょう。

単母音 … 基本となる1つの母音

単母音 (7種類)
a 日本語の「あ」よりも大きく口を開いて発音する。
o 日本語の「お」よりも口を丸くして発音する。
e 日本語の「え」の口の形をしながら、「お」と発音する。
i (yi) 日本語の「い」と同じ。
u (wu) 日本語の「う」よりも口を突き出して発音する。
ü (yu) 日本語の「ゆ」の口の形をしながら、「い」と発音する。
er 「e」を発音したあと、すぐに舌をそりあげる。

複合母音 … 単母音を2つまたは3つ重ねたもの。

複合母音 (29種類)
2重母音 ai 「a」を強く発音。
ei ※この場合の「e」だけは、「え」と発音する。
ao 「a」を強く発音。
ou 「o」を強く発音。
ia ピンインでは「ya」と表記される。
ie ピンインでは「ye」と表記される。
ua ピンインでは「wa」と表記される。
uo ピンインでは「wo」と表記される。
üe ピンインでは「yue」と表記される。
3重母音 iao ピンインでは「yao」と表記される。
iou ピンインでは「you」と表記される。
uai ピンインでは「wai」と表記される。
uei ピンインでは「wei」と表記される。
鼻母音
(母音+n)
an 日本語で「案内」と発音したとき、舌先が歯につく。
この舌先の位置と「母音+n」の舌の位置は同じ。
en
in
ian
uan
uen
üen
üin
鼻母音
(母音+ng)
ang 日本語で「案外」と発音したとき、舌が口の奥に引っ込む。
この舌先の位置が「母音+ng」の舌の位置は同じ。
eng
ong
ing
iang
iong
uang
ueng

子音について


 子音(しいん)は子音だけでは発音できないため、通常、中国語の発音練習の際には、母音と組み合わせて行います。 子音と母音を組み合わせると400以上の発音数になりますが、それらは母音36種類と子音21種類の組み合わせなので、計57種類の発音を学習すればよいということになります。

子音(21種類)
舌尖音 歯茎に舌先をつける発音
d 母音「e」と組み合わせて「de」で発音練習する。
t 母音「e」と組み合わせて「te」で発音練習する。
n 母音「e」と組み合わせて「ne」で発音練習する。
l 母音「e」と組み合わせて「le」で発音練習する。

舌歯音 上下の歯茎を閉じ、その上下の歯の境界の裏側に舌を押し付けて発音
z 母音「i」と組み合わせて「zi」で発音練習する。
c 母音「i」と組み合わせて「ci」で発音練習する。
s 母音「i」と組み合わせて「si」で発音練習する。

巻舌音 上歯茎の奥のほうに舌先を巻いて発音
zh 母音「i」と組み合わせて「zhi」で発音練習する。
ch 母音「i」と組み合わせて「chi」で発音練習する。
sh 母音「i」と組み合わせて「shi」で発音練習する。
r 母音「i」と組み合わせて「ri」で発音練習する。

舌面音 舌先を下の歯に面状平らに置いて発音
j 母音「i」と組み合わせて「ji」で発音練習する。
q 母音「i」と組み合わせて「qi」で発音練習する。
x 母音「i」と組み合わせて「xi」で発音練習する。

舌根音 舌先を下の歯茎にあてて発音
g 母音「e」と組み合わせて「ge」で発音練習する。
k 母音「e」と組み合わせて「ke」で発音練習する。
h 母音「e」と組み合わせて「he」で発音練習する。

唇音 唇を使った発音
b 母音「o」と組み合わせて「bo」で発音練習する。
p 母音「o」と組み合わせて「po」で発音練習する。
m 母音「o」と組み合わせて「mo」で発音練習する。
f 母音「o」と組み合わせて「fo」で発音練習する。


四声について


 中国語を発音するとき、その発音の高低を声調(せいちょう)といい、その声調は4種類あります。これを四声(しせい)といいます。

四声
第1声 第2声 第3声 第4声
声調表記
漢字
意味 お母さん 痺れる 罵る


軽声について



 四声のほかに、軽声(けいせい)というものがあります。軽声はその名のとおり、軽く発声するもので例えば、「大夫(dài fu)…医者」の「夫(fu)」が軽声にあたります。


声調変化について


 「一(yī)」,「不(bù)」はそれぞれ単独でもち用いたときは第一声と第四声ですが、後にくる音節の声調により「」と「」の声調が変化します。これを声調の変化といいます。

 このほか、第三声の音節が2つ並んだ場合、1音節目が第二声の声調に変化します。ただし、この場合、ピンインを表記する際には、声調変化する前の状態で書くきまりになっています。


声調の変化
+第1声 +第2声 +第3声 +第4声 +軽声
第四声に変化 第四声に変化 第四声に変化 第二声に変化 第二声に変化
第二声に変化
第三声 第二声に変化
(例) 一天 yìtiān 一回 yìhuí 一点 yìdiǎn
你好 nǐ hǎo
一次 yícì
不是 búshì
一个 yí ge

※你好はピンイン表記の時はnǐ hǎoと書くが、発音の時はní hǎoと発音する。




儿(アル)化について


音節の末尾に「r」をつけて発音することを儿(アル)化といいます。北京など中国北部の地域でよく発音されます。

(例) 一点(yī diǎn 少し、ちょっと)→一点儿(yī diǎnr)画(huà 絵)→画儿(huàr 絵)

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